第二新卒で未経験業界・職種への転身を果たした「マボ」さんに、当時の思いを語ってもらいました。
転職に一歩踏み出せない方は、マボさんが夢を叶えるまでの道のりを追体験してみませんか。
文:川上良樹
2023/02/15
●マボさんプロフィール
1995年生まれ、滋賀県出身。
大阪大学外国語学部卒業後、日系メーカー企業へ入社。秘書業務や通訳を経験。
第二新卒を利用して外資系IT企業へと転職。
現在は副業でWebライターに挑戦中。
趣味はジャズトランペット、カメラ、海外旅行、語学学習、K-POPオタ活等……。
※第二新卒:一般的に、社会人経験が3年未満の転職活動者を意味する。
ようやく人生が、始まった。
――第二新卒の転職活動を終えて、1年半が経ちますね。
マボさん(以下、マボ):はい、とても幸せに過ごしていて……。自分の価値観に合う企業を選びなおしたことで、ようやく人生が始まったな。と思っています。
――マボさんの人生を変えた第二新卒での転職活動。キャリアチェンジを決意したきっかけは?
マボ:きっかけは2つあります。1つは、企業文化が合わなかったところです。男女に平等性がなくて、仕事がフラットに与えられていませんでした。
女性は能力に関わらず、男性を支えていくだけのキャリアルートが見えてしまったんですよね。私は、興味のあることに飛びついて、予測不可能なことをやっていきたいと思っていて。
努力次第でキャリアが開けていく企業文化ではなかったので、転職を決意しました。
――2つ目を教えてください。
2つ目は、配属先ですね。東京本社になるとばかり思っていたら、地方工場勤務になりました。
私は、多くの人と出会って影響を受けていきたい気持ちがあったので、自分には合わない環境だなと思いました。
「挫折」は夢を叶えるための布石
――転職をきっかけに「業界・職種」がまるで変わっていますね。未経験の転職活動で、特に大変だったことはありますか?
マボ:会社が求めている条件と、自分の経験が合わなくてなかなか内定がもらえませんでした。入社2年目のはじめに活動を開始したのですが、経験不足でアピールできないところもあり、一旦挫折したほどです。
選考で話せる実績を増やすために、いまの仕事を頑張って、半年後に再スタートしました。そしたら、未経験の職種でも、これまでの業務にうまく関連づけたアピールができるようになりましたね。
――転職活動中は、どのようなスケジュールで活動していましたか?
マボ:お昼休憩中に、こっそりZoom面談をしていました。東京で働くのを1つの目標にしていたのですが、もしオンラインが普及していなかったら厳しかったかもしれません。
対面での選考になる場合は、有休を取って1日に3社スケジュールを詰め込んでいきました。
――1日に3社は大変ですね。日程調整するのも苦労したのでは?
マボ:はい、日程調整に関しては、転職エージェントをうまく活用しました。面接前に採用担当の方の情報も教えてくれたので、利用して良かったと思っています。
ただ、エージェントさんから、自分が紹介した企業に入ってほしくてゴリ押しされるときもありました。一長一短な部分もあるかもしれませんが、最終的に決めた会社はエージェント経由でしたね。
――面接では、どのような質問がありましたか?
マボ:ポテンシャルを見るような質問が多かったと思います。新卒のときの面接と似ていたかもしれません。
今の仕事の深掘りよりも、人柄を見極めている感じで、学生時代の話も聞かれました。あとは、熱意の部分も重視されていたと思います。
――働きながらの長い転職活動。よくメンタルを保てましたね。
マボ:はい、気持ちの切り替え方を知っていたからだと思います。幼稚園から続けていたピアノを弾いているときだけは、なにもかも忘れるようにしていました。
転職活動のことは、なかなかまわりにも話せないし、1人の部分が多い。なので、自分なりの気分転換の方法を知っていたのは良かったと思っています。
自分の価値観が明日を変えていく
――新卒にはない、第二新卒の魅力はありますか?
マボ:自分の意思で、価値観にあった会社を選びなおせることです。いまって、みんなと同じタイミングで大学に入って、同時に就職もしますよね。それってなんとなく、敷かれたレールのうえを歩いている状態だと思います。
その点で第二新卒の転職は、はじめて自分の意思で、芽生えた価値観を軸にして動けるものだと感じました。
――あらためて、転職成功から1年半。自分のなかで変わったことはありますか?
マボ:またなにかあれば、自分の好きなように人生変えればいいって思えるようになりました。転職で成功体験を得られたのがとても大きいですね。
ほかには、時間の使い方も変わったと思います。新しいチャレンジとして、ブログもはじめました。
――今回の活動を、ブログのなかで体験記として綴っていますよね。どのような思いで書いていますか?
マボ:読み物にすることで、誰かに届けたいなと思いました。苦労した経験があると、どうしても話したくなるのが人といいますか……。
でも、飲み会の場で話すだけでは、自分語りで終わってしまいますよね。自分の伝えたいことを本にしたら文学になるし、Webで書いたらメディアになって、届けたい人の目に触れてもらえると思ったんです。
チャレンジしない
”ほか”はない
――いろいろな挑戦を続けているマボさん。いまチャレンジしていることがあれば教えてください。
マボ:インターネット上に文章を書く「Webライター」の副業を始めました。ゆくゆくは独立を考えています。
自分の望む企業に入って心が満たされたら、今度は決められた時間に働く、社会人のシステム自体に疑問を持ち始めて……。次は、自分自身でスケジュールを決めながら生きてみたいと思っています。
――最後に、第二新卒での転職を迷っている人へ向けて、メッセージをお願いします。
マボ:ぜひ、チャレンジをしてみて欲しいです。挑戦するだけなら、仕事も辞めずにノーリスクでできますし、とにかく動いてみてください。
意外となんとかなるので、チャレンジしない”ほか”はないと思います。
――本日はありがとうございました。
マボさんが運営するブログでは、当時の気持ちや行動を細かく綴った体験記が連載中です。気持ちの熱くなる描写が、あなたの背中を押してくれるかも。
マボのブログ:第二新卒女・転職体験記